茶のこころとともに新たな場へ
拝啓 初秋の候、虫の音に耳を傾ける折、皆様におかれましては
益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より「麻布和敬」をご愛顧賜り、誠にありがとうございます。
このたび当店は、十月一日より港区三田の地に移転し、
屋号を「聖坂和敬(ひじりさかわけい)」と改め、
あらたな一歩を踏み出す運びとなりました。
新たな店舗は、京都にて数寄屋建築を研ぎ澄ましてきた職方の手による、
古材や時を経た石を用いた、唯一無二の空間に仕上がりました。
茶の湯の精神に通ずる「侘び寂び」と「用の美」を基調としたしつらえの中で、
移ろう季節を一皿ずつ丁寧に映してまいります。
「和敬静寂」の心はそのままに、一客一亭のもてなしに日々心を尽くし、
皆様とのひとときを紡いでまいります。
これまで賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに、
新たな「聖坂和敬」変わらぬご愛顧を賜れましたら幸いに存じます。
まずは書中にて、移転のご挨拶を申し上げます。
敬具
令和七年 八月
聖坂和敬 店主 竹村 竜二 拝
